尼崎の相続税理士が教える!「駆け込み贈与は要注意!「総則6項」による否認リスクと、改正施行までの賢い立ち回り」
こんにちは、相続税理士の香川晋平です。
令和8年度税制改正大綱により、不動産を活用した相続税対策のルールが大きく変わることが決まりました。
特に「貸付用不動産の5年ルール」や「不動産小口化商品の時価評価」の導入は、これまでの節税手法に終止符を打つ内容となっています。
改正の施行は2027年(令和9年)1月1日からですが、ここで多くの人が検討するのが「ルールが変わる前の2026年(令和8年)中に贈与を済ませてしまおう」という駆け込み贈与です。
しかし、そこには税務署が持つ「伝家の宝刀」とも呼ばれる「総則6項」の否認リスクが潜んでいます。
今回は、「総則6項」について解説しますね。
1. 形式を整えても否認される「総則6項」の恐怖
「総則6項(財産評価基本通達総則6項)」とは、国税当局が「通達による評価方法(路線価など)で計算することが著しく不適当である」と認める場合に、国税庁長官の指示により時価で評価できるという例外規定です。
今回の改正は、個別否認による納税者の予測不可能性を解消するためにルールを明確化するものですが、改正施行前であれば何をしても許されるわけではありません。 むしろ、改正の全容が明らかになった今、あえて施行直前に極端な節税を図る行為は、「専ら租税回避(税金を減らすことだけ)を目的とした不自然な行為」として、税務署の監視が一段と厳しくなることが予想されます。
2. どのような贈与が危ないのか
特に以下のようなケースは注意が必要です。
• 短期的な取得と贈与: 収益物件や小口化商品を購入してすぐに贈与し、さらに受贈者がすぐに売却して現金化するようなケースは、経済的合理性に欠けると判断されやすくなります。
• 相続直前の駆け込み: 明らかに余命が短い状況で行われる多額の不動産贈与は、過去の裁判例でも総則6項が適用され、時価での課税を命じられています。
3. 改正施行までの「賢い立ち回り」とは
新しいルールが始まる2027年1月まで、私たちはどのように資産を守るべきでしょうか。
まず大切なのは、「短期的な圧縮」から「長期的な保有」へと意識を切り替えることです。
実物不動産については、取得から5年を経過すれば従来通りの路線価評価が適用されるため、早い段階で良質な物件を取得し、腰を据えて運用することが引き続き有効な対策となります。
一方で、不動産小口化商品については、取得時期を問わず一律に時価評価へと移行するため、既存の保有分についても注意が必要です。
2027年以降に相続が発生すれば、過去に買ったものもすべて時価で課税されます。そのため、保有を継続するか、あるいは今のうちに他の資産(生命保険の非課税枠や新NISAなど)へ組み換えるべきかを、冷静にシミュレーションする必要があります。
今、最も避けるべきは「焦って不自然な対策に手を出すこと」です。
改正までの約1年間を、資産ポートフォリオを健全化するための「棚卸し期間」と捉え、専門家と相談しながら無理のない承継プランを再構築することが、真の賢い立ち回りと言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回の改正に伴い、2026年中の贈与を検討されている方は、専門家にご相談されることをオススメします。
もちろん、私どもでも、しっかりアドバイスさせて頂きます。
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